執筆日:2023年2月10日
公開日:2023年2月12日
最終更新日:2023年5月14日
Discordのルールをめぐる管理者と参加者の対立
Discord 上の多くのコミュニティでは、ルールが設定されているにもかかわらず、参加者間の紛争が日常的に発生しています。これらの紛争は、喧嘩、ルール違反に対する処罰の厳しさへの不満、度重なる虐待や挑発など、多岐にわたります。では、なぜこのような紛争が発生し、スムーズに解決されないのでしょうか。この記事では、その理由を説明するとともに、管理者の立場からモデレーションをしやすいルールを作る方法、参加者の立場から「危険な」ルールを見抜く方法についてアドバイスします。
タップできる【目次】
ルールをめぐる管理者と参加者の対立
管理者は、参加者の自由を許すことで、コミュニティが混乱することを恐れがちです。その結果、参加者がリスクを冒すことができず、ルールに従って行動しなければならないと感じるような、非常に具体的かつ容赦のないルールを作ってしまいます。その結果、管理者と参加者の間に緊張関係が生まれ、参加者は自分たちのコミュニティで発言権がないように感じてしまうのです。
一方、参加者は、管理者の処罰が厳しすぎると感じることもあります。参加者はこれを自分たちの権利の侵害、コミュニティの人間関係の力学に対する無理解と見なします。そのため、参加者はルールや罰によって自分たちの可能性が阻害されているように感じ、フラストレーションがたまることもあります。
一発BANへの恐怖
一発退場への恐怖もまた、紛争を引き起こす可能性があります。ルール違反に対してゼロ・トレランス・ポリシーを取る管理者は、わずかな違反でもBANしてしまうことがよくあります。これは、何年もコミュニティに貢献してきた参加者が、小さなミスで罰せられるという不公平感につながる可能性があります。また、一発でBANされる恐怖から、参加者は常に自分の行動を監視し、一歩間違えればBANされるかもしれないという緊張を強いられることもあります。
セカンドチャンスと寛容のメリット
ルールは、コミュニティがどのように振る舞うべきかの枠組みを提供するものであり、例外なく厳格に施行されるものではないことを忘れてはいけません。より寛容になり、セカンドチャンスを与えることで、管理者はより歓迎される環境を作り、参加者と管理者の間の緊張を緩和することができます。
警告期間の設定、異議申し立ての許可、初犯者に対する罰則の軽減などはすべて、寛大さを示し、より尊重された行動を促すための方法です。管理者と参加者の間に対話と理解を可能にする枠組みを作ることで、緊張をより容易に和らげることができます。
曖昧なルールと具体的なルールの比較
ルールは、目的を達成するために十分具体的でありながら、状況の変化に対応できるよう柔軟であるべきです。曖昧なルールは理解しにくく、対立を招きかねません。一方、過度に具体的なルールは、創造性を阻害し、却って不平等な扱いを招く可能性があります。
明確で簡潔でありながら、あらゆる状況に対応できる柔軟性を持ったルールを作ることが重要です。そうすることで、ルールが公平に適用され、参加者と管理者の双方が自分に何が求められているのかを理解することができます。
ルールに必要な柔軟性
参加者があるルールに違反したとしても、その処罰の重さは、違反が起こった文脈や背景を加味して決められるべきです。
モデレーターは、ルール違反に対し以下の点を整理することになります。
- 【故意性】違反行為が故意に行われたのか、あるいは何かきっかけとなる出来事、事情により起きた過失なのか
- 【連続性】初犯なのか、再犯なのか
- 【比例性】処罰の重さは、違反行為の重さと比例させるべき
これらの点を踏まえることで、初めてルールは正常に機能します。
そのためルールを作る際には、違反の背景に応じて処罰の重さを調整できるよう工夫するべきでしょう。
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参加者が知っておくべき「オペレーター優位」のルール
コミュニティでよく見られるルールで、注意すべきものがあります。これらの「運営者優位」のルールは、管理者の権限が強すぎて、参加者が不当に扱われることになりかねません。
よくある例としては、管理者の裁量でBANできるルール、管理者の判断で任意の処分を下せるルール、軽い違反でBANにできるルールなどがあります。このようなルールは、潜在的な恐怖心を煽り、参加者が自己表現することを難しくします。
参加者ができる対策
上記のようなルールを設定しているコミュニティは、可能なら参加を見送ることをおすすめします。
止むを得ず参加しなければならない場合は、過去の処罰を調べたり、他の参加者の発言を参考にして、そのコミュニティで許容されるラインを見極めるようにしましょう。
ルールの作り方
ルールは、架空のシナリオではなく、現実の出来事に基づいて作られるべきです。ルールが一般的すぎると、参加者が事前に知らなかった違反行為に対してペナルティを受ける可能性があります。一方、ルールが具体的すぎると、参加者は本来許されるべき特殊なケースであっても、ルールから逸脱することができなくなります。
ルールを書く際には、そのルールの目的を考えることが重要です。例えば、スパムを阻止するためのルールであれば、「スパム」という言葉の定義を具体的に記述し、広義の文言は避けるべきでしょう。最後に、ルールに違反した場合の罰則の範囲を明確に示すようにしてください。
補足 罰則の範囲
例えば、初回では口頭注意、二回目以降ではミュートにする、など。
その他には、違反の範囲を「ミュートまたはKick、最大で一定期間のBAN」などと記述することも有効です。
実際のケースでは、メッセージの連投などはKickなどから始まり最大で永久BAN処分、暴言や喧嘩などは注意とかミュート程度の処分が行われる事が多いでしょう。
多くのサーバーで使われる、ルールの例
実際にどのようなルールを作れば良いのか。
多くのサーバー管理者が参考にできる「ルールの例」を、Bing AIに聞いてみました。
挨拶:サーバーに入ったときや退出するときに挨拶をする
敬語:管理者や他のメンバーに対して敬語を使う
荒らし:サーバーの秩序を乱す行為をしない
スパム:同じメッセージを連投したり、不適切なリンクを貼ったりしない
暴言:他のメンバーや第三者に対して暴言や誹謗中傷をしない
個人情報:自分や他人の個人情報を公開しない
広告:サーバー内で無断で広告や宣伝をしない
著作権:他人の作品やコンテンツを無断で使用しない
通報:ルール違反やトラブルが発生した場合は、管理者に通報する
これらはあくまで一般的な例であり、サーバーによっては異なる場合があります。サーバーに参加する前には、必ずルールを確認してください。
この中でも特に以下の項目をルールで明記することが有効です。
- スパムー「同じメッセージの連投」など、スパムの定義を具体化しましょう。
- 個人情報ー上記の例文のまま使用するのも有効です。サーバーの特徴に合わせて、個人情報の種類を顔写真、住所、電話番号などと具体化しても良いかもしれません。
- 広告ー他のDiscordサーバーへの招待リンクを投稿する行為は、とても頻繁に見られる迷惑行為の一つです。
- 通報ー一般参加者による自治行為を抑制する目的で、管理者への通報を義務付けるルールは有効です。
まとめ
まとめると、Discord サーバーで紛争を防ぐには、モデレーションを理解することが重要です。管理者は、寛大でありながら毅然とした態度でルールを実行し、セカンドチャンスを提供し、対話と理解を可能にすることを目指すべきです。
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